(※きょうの記事を音声で楽しんでください)
https://stand.fm/episodes/6ab71195b11dcca9eab5e011

きょうは、気になったYouTubeコメントをピックアップ。

「司法書士にお金を払うのはもったいないので、自分で登記をしようと思っています」

家を買うと、いろんなお金が出ていきますよね。

物件代金に、仲介手数料。
税金に、引っ越し代。

「1円でも予算おさえたい」と言いたくなる気持ちはわかります。

ただ、登記を自分でやって節約することについては、ぼくは基本的におすすめしていません。

きょうは、現場のリアルの話をしていきます。

その節約、誰かの予定を止めます

必要な書類をそろえて、自分で申請する。

そうすれば、司法書士に依頼する報酬を抑えられる場合はあります。

ただし、登記費用に含まれる登録免許税などまで、なくなるわけではありません。

見積書の金額が、丸ごと浮くわけじゃないんです。

そして、不動産の売買では、代金の支払い、ローンの実行、登記、鍵の引き渡しなどを、関係者で段取りしています。

銀行によっては、指定の司法書士による手続きが条件になっていることもあります。

書類が足りなかったら?
手続きが予定に間に合わなかったら?
その日に、お金を動かせなかったら?

こういった懸念が残るので。

司法書士への報酬には、書類を作るだけでなく、必要な確認をして、登記を確実に進めるための仕事も含まれています。

ようは、ミスされると関係者すべての予定が狂うんです。

実際に、関係者がそろって困った話

以前、取引相手の売主さんが、登記関係の手続きを自分で進めようとしていたことがありました。

結果、必要な処理が期日までに間に合わず。

被害をうけたのは

ぼく。
買主さん。
銀行の担当者。
司法書士。
売主側の仲介担当者。

関係者5人が、そろって頭を抱えることに。

それぞれ予定を調整して、準備を進めていたわけです。
それが、ひとつの手続きで止まってしまう。

正直、ぼくも相手側にかなり強く抗議しました。

買主さんの大切な取引を預かっている以上、「慣れていないから仕方ないですね」
では済ませられません。

契約内容や経緯によっては、こうした遅れが解除や違約金の問題に発展することもあります。

当時も、対応次第では数百万円規模の請求しようかと、強くストレスを持った出来事でした。

少し節約するつもりが、大きな損失を招くかもしれない。

しかも、お金だけではありません。

コストを削ったつもりで、信頼まで削ってしまう。

その結果、取引は白紙に…

こうなると、本末転倒じゃないですか?

削る場所より、交渉できるところを考える

もちろん、言われた費用を何も考えずに払おう、という話ではありません。

見積もりの内訳を聞く。
何のために必要なお金か確認する。
変更できる部分があるか相談する。

これは、どんどんやっていいと思います。

そのうえで、ぼくが力を入れたいのは、売主さんの希望を踏まえた条件交渉です。

なぜ売るのか。
いつまでに引き渡したいのか。
価格以外に、優先したいことはあるのか。

担当者を通じて、話してもらえる範囲で確認する。

こちらが引き渡し時期などを合わせることで、価格について相談しやすくなる場合もあります。

必ず値下げできるわけではありませんが、お互いが納得できる条件を探す余地はあります。

大きな買い物だからこそ、1円でも抑えたい。
その気持ちは、ぼくも同じです。

でも、節約するなら、取引を支える確認や段取りまで削らない。

安く買えたうえに、安心して引き渡しを迎えられる。
そこまで含めて、いい買い物にしてほしいと思います。

リアルな現場からは、以上です。

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